厚生保健委員会視察 佐世保市
 こども条例について
 
平成21年10月15日(木) 

 

◎子ども育成条例について

〔説明者〕子ども未来部子ども政策課長 森吉恭子 

○施策(条例)の概要

 佐世保市子ども育成条例は、教育を考える市民会議からの「子どもの健やかな成長を育む子育て力や教育力のあるまちづくりを進めるために、大人の果たすべき責務を明らかにし、地域社会が一体となって子どもの育成に主体的にかかわる決意を宣言することを目的とした条例を制定すべき」という提言に基づき、策定検討委員会での議論を経て、平成1712月議会に上程された。しかし、「さらに検討を深めていきたい」との趣旨で総務委員会において継続審査となり、さらに平成18年3月の継続審査を経て、平成18年6月議会において、修正可決された。

 子供条例については、全国的に「子供の育成支援の概念的な条例」「子供の権利保障にかかわる個別的な課題に対応するための条例」「児童の権利に関する条例」の三つに大きく分類されており、佐世保市は浜松市と同じく、子供の育成支援を主とする概念的な条例に分類される。本条例の策定結果としての大きな特徴は、条文の子供の年齢を15歳未満としている点(ただし15歳以上18歳未満の者についても必要な配慮を行うことを規定している)と、議員修正によって「郷土や国を愛し」という文言が追加された点である。

○施策の有効性(視察先の状況、本市として活用すべき点)

・市民会議から提案されたという観点では、市民発議による条例となる

・市民視点での条例内容となっている

・子供用と大人用のリーフレットが、わかりやすくつくられている

・次世代育成支援行動計画を内包するものではない

15歳未満(義務教育期間)に集約した条例としている

・議会において、2度の継続審査となり、修正可決された

・施策にかかる費用が少ない(策定検討委員会委員の費用弁償程度)

○施策の課題
15歳以上18歳未満の者(子供)の受け皿部分が欠けている

・「郷土や国を愛し」という文言について、愛国心という部分が強調されて報道されたこともあり、さまざまな意見(苦情)があった

・条例の策定時、また現状における市民の反応が少ない

・大人の役割(市の役割は除く)が規定されているが、努力義務となっている

○今後に対する見通しまたは意見

 浜松市では、子供を社会全体で支えていくための取り組みの基本理念、基本的施策を定めた条例(案)を策定し、本年1015日(佐世保市の視察日と同日)まで、パブリックコメントを実施した。平成18年に策定された佐世保市の条例については、愛国心が議論の焦点となり、2度の継続審査を経て、最終的には修正可決されているが、その修正内容にかかわらず、議会運営や議会活性化という観点から、学ぶべきものがあった。条例としては、「子供の育成支援の概念的な条例」ということもあり、現状での市民への周知という点で課題があるということであったが、市民発議的な条例は、その策定経過にも意味があるものと感じた。浜松市の条例は、市長マニフェストの具現化であり、その内容については、市民からの意見書も提出されており、今後も議論が予想される。議会は、最終判断を求められる場となるが、よりよい条例を策定するためには、議案の継続審査や修正等を含めて議論する必要がある。